
日本の伝統発酵食品「味噌」が持つ能力
日本には古くから「味噌汁は朝の毒消し」「味噌は医者いらず」「味噌汁一杯三里の力」など、味噌にまつわる多くのことわざがあります。
また、「味噌の三礎」という言葉もあり、この「三礎」は、味の素、命の素、美の素を指していることから、味噌が健康や美容にとって非常に優れた食品であることを象徴しています。
このようなことわざや言葉は、味噌がいかに体に良い影響を与えるかを昔の人々が直感的に理解していたと言えるでしょう。味噌は、日本の伝統的な食卓に欠かせない存在として親しまれ、日々の健康を支えてきた存在です。
そして近年、味噌の健康効果が科学的にも解明されたことにより、味噌が持つ驚くべき健康効果とオートファジーとの関係も明らかになってきました。
味噌がオートファジーに良い理由
味噌は、大豆を発酵させて作られる食品で、私たちの生活に欠かせないたんぱく質、糖質、脂質をはじめ、ミネラルやビタミンなど多くの栄養素を含んでいます。なかでも注目されているのが、「スペルミジン」という成分です。
スペルミジンには、オートファジーを活性化させる働きがあることがわかっており、味噌をはじめ、醤油や納豆といった発酵食品に豊富に含まれています。そして、このスペルミジンを含む食品を取り入れることで、腸内環境が整い、体全体の代謝を高め、オートファジーの働きがスムーズに行えるようになります。

また、朝に味噌汁を飲むと、水分が胃腸に刺激を与えて消化器官が活性化し、夜寝ている間に溜まった老廃物の排出を促します。さらに、味噌汁の温かさが内臓を温め、血流が促進することで新陳代謝を高めます。このような効果があることから、「味噌汁は朝の毒消し」と言われているのです。
味噌を活用した健康習慣
朝の味噌汁が体の調子を整え、1日のスタートを健康的に切ることができることがわかりましたね。そこに、抗酸化作用のあるワカメやネギ、オートファジーの促進を助けるきのこ類など、他の食材と組み合わせてひと工夫することで、より効果的な一杯となるでしょう。
ただし、体に良いからと言って味噌だけに頼るのではなく、主食・主菜・副菜・汁物の4つを揃えたバランスの良い食事を意識することも大事です。特に日本の伝統的な「一汁二菜」のスタイルを取り入れると、栄養が偏ることなく健康効果を最大限に引き出すことができます。

また、中高年の方は「味噌汁を飲みすぎると塩分を摂りすぎるのでは?」と心配されるかもしれませんが、最近の研究では、長期間にわたる味噌汁の摂取は、夜間の血圧を減少させたという報告もあります。そのため、高血圧などで塩分の制限が必要な場合を除き、減塩味噌を使う、薄味を心がけるなどをおすすめします。
昔の知恵を現代に活かす
昔から言われている「朝の毒消し」の効果が、最新科学によって証明され、さらにオートファジーにも繋がっていることは、とても感慨深いものです。
こうした知恵を現代でも活かせるのは素晴らしいですね。

「その習慣、オートファジー」とは?
昔から伝わることわざや生活習慣、日々の知恵が、実は科学的にも注目されている「オートファジー」と深く関係していることをご存知ですか?
このコラムでは、あなたが普段から意識せずに続けている習慣が、実は体内の細胞をきれいに保ち、健康や美容をサポートしている可能性を解説していきます。