長寿に関係する最新オートファジー研究

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長寿とオートファジーの研究はこの10年で飛躍的に進み、日々新たなエビデンスが報告されている分野です。中でも注目すべき最新研究について、大阪大学 高等共創研究院 大学院生命機能研究科 准教授・中村修平先生の監修で解説します。

特定の時間帯だけ食事制限すると健康寿命が延びる可能性が

食事をする時間帯を制限することにより、老化を遅らせたり、病気を防いだりする可能性があることが、ヒトやさまざまな動物で報告されています。この方法はTRF(Time Restricted Feeding 時間制限給餌)と言われていますが、2021年、イギリスの学術雑誌「Nature」に掲載された論文で、ショウジョウバエを使って夜間だけ食餌制限をしたらオートファジーが活性化し、健康寿命が延びたことが報告されました。

エネルギー制限がオートファジーを活性化し、長寿にもつながるといわれていますが、常に食事を減らすのでは空腹に耐えられず、現実的ではないことが課題でした。この実験結果がもしヒトにもあてはまるなら、たとえば夜だけ食事を抜いたらオートファジーが活性化して老化を遅らせることができる可能性があるということになります。

ただし、ヒトの場合オートファジー活性を測定するのが難しく、正確に何時頃にオートファジー活性が最大化するなどはわかっておらず、今後のさらなる研究や測定法の進化が期待されます。

※参考:Nature. 598: 353-358 (2021).

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