
老化や加齢という言葉を聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
老化や加齢という言葉を聞いて、どんなことを思い浮かべますか?老いること、シワやシミ、顔のたるみ、認知能力の低下、身体機能の衰えなど、年齢とともに現れる肌や体の変化のことを思い浮かべる方がほとんどでしょう。
この「エイジング(aging)」とは「年をとること」、つまり「加齢すること」を意味し、美容的な側面、身体機能の変化、さらには医学的な視点まで、広い意味を含んでいます。
今回はそれぞれの観点から、「エイジング(加齢)」の定義とその影響を考えてみましょう。
アンチエイジングへの誤解
別の記事でもお伝えしたように、アンチエイジングについては多くの誤解があります。
体の運動機能を取り戻す、若かった頃の肌に戻るなど、現実的には難しいと思えることを叶えられるという誤解も生まれているようです。
そして今、アンチエイジングを正しく理解して、進展させた考え方が出てきています。それが、「ビヨンドエイジング」です。加齢をコントロールして時間を延伸していくことを意味します。
私たちオートファジーコンソーシアムは、エイジングとはどういうことなのかを正しく理解していただくために、詳しくご説明させていただきたいと思います。
エイジング(加齢)の定義
エイジングとは、やはり加齢のことです。そして、この加齢に伴ってさまざまな影響を総称して、私たちは老化と呼びます。 では、加齢に伴う影響とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

1、身体的影響
筋力低下(サルコペニア):筋肉量が減少し、身体機能が低下する
骨密度の減少:骨がもろくなり、骨折のリスクが高くなる
代謝の低下:基礎代謝が落ち、脂肪がつきやすくなる
内臓機能の変化:心臓や腎臓などの臓器の機能が低下する
感覚器官の変化:視覚、聴力、知覚が低下する

2、美容的影響
肌の変化:うるおい成分や弾力を与えるコラーゲンなどが減少してシワやたるみが発生。肌の再生能力が衰えてターンオーバーが遅くなり、シミやくすみが目立ってくる。
髪の変化:白髪の増加、抜け毛や薄毛の進行、髪質の変化
体型の変化:脂肪がつきやすくなり、若い頃の体型を維持できなくなる

3、医学的影響
脳機能の低下:アルツハイマー病や認知症の発症リスクが高くなる。記憶力や集中力の低下
生活習慣病のリスク増加:高血圧、糖尿病、心疾患などの発症率が上昇する
免疫機能の低下:感染症にかかりやすくなり、回復にも時間がかかる
精神面の変化:意欲の低下、気分の落ち込み、保守的傾向が強まる

加齢の鍵を握るオートファジー
加齢による影響は、身体的、美容的、医学的な側面に及びますが、適切なケアや予防策を行うことで、加齢に伴う老化の進行を遅らせ、健康を維持することができます。
そこで、着目されているのが「オートファジーの活性化」です。オートファジーは、細胞だけでなく「細胞の中身」を入れ替えるために、毎日少しずつ細胞内でリサイクルを行い、常に新しい状態を保っている機能で、細胞の健康を維持する重要な役割を担っています。
オートファジーの活性度を上げたり、低下させないようにしたりすることが、老化の抑制や免疫機能の向上、さらには病気を予防することにつながることから、オートファジーの効果を正しく評価し活用するために、国際的、かつ科学的に信頼できる基準の構築が必要になるでしょう。