11月22日、資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)PARK Hall にて、第3回 日本オートファジーコンソーシアムシンポジウムが開催されました。
テーマは「Autophagy & Aging(オートファジーと老化)」。オートファジーは近年、老化を制御する機構として注目されており、老化の原因とされる要素の多くがオートファジーと関係が深いことが解明されつつあります。
今回は長寿研究・老化抑制の分野でオートファジー研究をけん引する8名の研究者が、最新の研究について講演を行いました。
海外と会場をオンラインでつないで行われた冒頭の招待講演では、アルバート・アインシュタイン医科大学主任研究者のアナ・マリア・クエルボ教授とワシントン大学医学部発生生物学科のアンドリュー・ヨー教授がそれぞれ、シャペロン介在性オートファジーと加齢関連疾患、オートファジーと神経変性疾患に関する研究成果について講演。加齢にともなう疾患や健康寿命を縮める疾患の発症をオートファジーが抑制する可能性を示唆しました。
続くランチョン講演では奈良県立医科大学生化学講座の中村修平教授が「オートファジーによる寿命・老化抑制メカニズム」について講演。リソソームの恒常性維持をキーワードに、オートファジー活性が老化を抑制する機構を解説しました。
午後は東北大学加齢医学研究所の佐藤亜希子准教授による「睡眠調節を介した中枢性老化寿命制御機構」に関する講演、大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学の山本毅士特任助教による「オートファジーと腎臓の老化」、新潟大学大学院医歯学総合研究科機能制御学分野の井上敬一特任講師による「哺乳類マイトファジーの分子機構と老化」、熊本大学大学院生命科学研究部老化・健康長寿学講座の三浦恭子教授による「ハダカデバネズミの抗老化・がん耐性に関わる細胞死・細胞老化の調節機構」と、老化をめぐるオートファジーの多様な働きにフォーカスした発表が続きました。
最後にワシントン医科大学の今井眞一郎教授が「NAD World 3.0:哺乳類の老化・寿命制御による臓器間コミュニケーションの重要性と抗老化方法論」と題して基調講演を行い、老化・寿命研究の最前線とオートファジーの関係を示しました。